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ライトノベル作家、八薙玉造のblogです。 ここでは、主に商業活動、同人活動の宣伝を行っております。
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八薙玉造
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 ライトノベルをガリガリと書かせていただいている身の上です。

メールはtamazo☆carrot.ocn.ne.jpまで。(SPAM対策で@を☆に変更しています。@に直してお送りください) 
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難産でしたが、書き切ることができました。
獣耳二級(初心者)ではありますが、その妄想を凝縮しようとしたら、
なんだかあらぬ方向に転がってしまって、あれれ? な短編です。

そんなわけで、

5月25日(日)
関西コミティア32に参加します!
スペースNoはB-25『玉造屋バキューン』

会場に御立ち寄りの際、お暇がありましたら、覗いていただけますと感謝感激です。
今から今回はどんなロボットを飾ろうかとてぐすね引いてます。

とりあえず、当日は冬コミ既刊『巫女のパンツはいつも黒!』と、各種既刊。
コピー本新刊となる『ねこみみマウントポジション』を持って行こうと思います。

以下。新刊予告編。
本文、冒頭になります。
また、最終校正前になるため、今後、修正される可能性、また実物とは文章が異なる場合が
ありますので、御了承ください。

■あらすじ
目覚めるとマウントポジションを取られていた。
昼寝していた隆のマウントを取っていたのは、
猫の耳と尻尾を持つ幼馴染、璃斗(りと)だった!
たぶん、伝奇小説? 色々、猫気味の気まぐれラブコメ短編小説です。

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■予告編
 目が覚めると、幼馴染がマウントポジションを取っていた。
 さっぱりしたショートカットの黒髪から飛び出た三角に尖った猫の耳と、スカートの下から覗き、激しく揺れ動いている尻尾、オレが反撃できない位置で拳を振り上げているのは、まごうことなき幼馴染、璃斗の姿だ。
 仰向けに寝転んだオレの腹に跨った璃斗の息は荒い。白いスカートから伸びる、黒いタイツに包まれた足が視界に入り、なおかつこの角度からは、璃斗の動き次第でその中身すら見えてしまいそうで、たいそう目に毒だ。
 それ以上に、腹の上にお尻が乗っているかと思うと、その柔らかさなどを気にしてしまって、また、時折、パタパタ動く尻尾がなんだかとても微妙な場所を叩いたりすると、寝起きでぼけた頭と身体はどのような対応をしたものか、本当に困ってしまう。
 見慣れた幼馴染とはいえ、これはとてもよくない状況だと思ったので、とりあえず、色々確認すべく尋ねてみた。
「気分はどうだ? わざとマウントを取らせてもらった気分は」
 鼻で笑ってみたが、璃斗は答えない。
 さっきから、どうにもこうにも、息が荒い。俺に跨ったまま、熱っぽい表情を浮かべて、時折、悩ましげとも言える吐息を漏らす。少しづつ前かがみになってくるに連れ、甘さを帯びた息が俺の頬を撫でる。耳はピンと立ったままだが、尻尾の動きはやけに激しい。
「よせ! それ以上近づけば、オレは伝家の宝刀を抜かざるをえない。そう。あの最終奥義だ。あと、これは何事か、そろそろ説明が欲しい」
「……隆。ん……、隆ぃ」
 鼻にかかった吐息と共に、甘えるような声が返ってきた。
 白い手がオレの頬にかかる。
「御願いだから! 説明を! 御願いだから!」
 声を裏返し、慌てるしかなかった。
 確かに、オレと璃斗は幼馴染で、互いに裸まで知り尽くした仲で、その尻尾がちょうどオレで言う尾底骨の辺りから伸びていることまでも知っているのだが、さすがにそれは十年以上前の話で、こうして互いに高校生となった今、このような状況にあることは超健全な学生のオレとしては、本当によろしくなくて、つまり、寝起きの状態ではあまりに微妙な問題すらも生じてしまっている。進行形で!
 耐えろ! 頼むから耐えろ!
 そして、意識が覚醒するに連れて、今、自分の目の前で起こっていることが、何事なのかより理解できなくなり、混乱するばかりで、
「り、り、り、璃斗。あれだよ。煙草は二十歳からということは知っているか? じゃあ、お酒は何歳からだっけ。青少年健全育成なんとかだから! わかるだろ?」
 と、よくわからない言葉を口走るうちに、ああ、無理だ! 
 超健全なオレは、実はお尻フェチの傾向にあり、そのようなことを意識した暁には!
「んん……ふぁ」
 璃斗が腰を揺する。
 ひぎぃぃぃっ! と心の中で絶叫する程、強烈な刺激が脳髄まで駆け抜けた。
 もしや性癖に気づかれたのかと、自分の八割ぐらいを知り尽くした幼馴染に戦慄するが、冷静な部分は告げていた。璃斗が跨っているのは、オレのポンポンなのだから、大丈夫! まだやれる!
 そうか! 大丈夫だ!
 ありったけの意志の強さを振り絞るオレの鼻先に、璃斗の唇がある。
「りりりりり璃斗ぉぉぉっ」
 ありったけの意志に呆気なく皹が入った。
 その黒い瞳はうっすらと潤んでいる。頬は朱に染まり、何か我慢するように動く唇はやけに赤く鮮やかで、どうして、女の子の息というのは、こんなにいい香りがするのだろうと思うのは、男性的な、やはり妄想が生み出した幻想なのでしょうか!
「うひいぃぃっ!」
 今度は声に出して絶叫していた。
 そして、オレは幼馴染暦十七年の中で培っていた経験を精一杯の脊髄反射で繰り出していた。
 もはや、マウントでもなんでもなく、オレをただ押し倒しているだけの璃斗をおもむろに抱き込めば、その顔が首に埋もれる。生暖かな息に首筋を舐められるような心地に奇声を上げて悶えそうになるのを堪えつつ、いや、実際は鼻息がとても荒く、変な声も出ているが、かまうものかと、手は動く。
 オレの手は璃斗の細い首の後ろに回りこみ、首筋にかかる黒髪を掻き分けると、後ろから掴んだ。
「ふあっ」
 璃斗の喉から熱い吐息が流れ出し、舌先が抱きかかえたオレの喉を舐めた。
「う、うはぁ」
 目の前が真っ白になりそうになるが、それでも理性と根性を総動員しながら、首を抑え続ける。
「ん、んんぅ」
 オレの身体に圧しかかる重みが増した。
 腹の上に座り込んでいるだけではなく、いまや、璃斗は全身をオレに委ねていた。
 ありていに言えば、オレの上に倒れこんでいた。さっきまでの熱に浮かされたような表情は消え、今、オレの上で四肢を投げ出す璃斗は、温泉でふやけている最中のような、心地よさげな顔をしている。目は閉じられ、口はだらしなく半開きで「ほぁぁ」と変な音を出す。
 首の後ろを軽く掴んでやると、いつもこうなる。いわゆる弱点だ。
 幼馴染ゆえの経験に心より感謝しつつ、モゾモゾと璃斗という肉布団……と言うと、何かまた血が騒ぐので、そもそも、今、完全に圧しかかられているので、とても柔らかな感触に、オレも天上の心地を味わいそうなのだけど、極力余計なことは考えないようにしつつ、少しだけ色々なことを惜しみながら、身体の下から這い出す。
 首根っこを押さえ込んだままでいると、たれているとか、溶けているというか、うつ伏せのままで、璃斗は穏やかな表情を浮かべていた。たぶん、このまま三分待てば、寝るだろうが、それでは何の解決にもならないので、ゆっくりと手を離した。
 心地よさそうに閉じられていた目が少しずつ開かれていく。
 鼻から抜ける息を漏らしながら、ぱっちりと開かれた瞳が部屋を見る。
「ん……。あれ?」
 次にオレを見て、呟いた。さっきまでの妙な熱っぽさは消えているように思える。
「あれ? じゃないぞ。おはようございます。性犯罪は犯罪です」
「あ。うん。そうだね。性犯罪は犯罪だよね。知ってる」
 ぼんやりと呟きながら、璃斗が身体を起こす。
 本当に今、目が覚めたとでも言うように、ベッドの上に座り込んだままで大きく伸びをした。涙の浮いた目尻を指先で拭うと、キョロキョロと、あいつ自身もよく知っている……というか、毎朝来ているはずのオレの部屋を見回す。
 そして、やけにかわいい仕草で首を傾げた。耳が垂れている。
「……寝てる間に連れ込んだの?」
 ベッドの端に逃れ、布団を胸の辺りまで掴んで上げて、訝しげに、なおかつ上目遣いにオレを睨む。
「いや! おい! かわいいけど! いや、そういう意味じゃなくて」
「犯罪者……。隆って、そういうのもっと正々堂々して、言ってみれば、武士みたいだって思ってたよ」
「武士はたぶん、買いかぶり過ぎだ。そもそも、なんで武士……いや、そこじゃなくて。言うにことかいて、オレが悪いという話か!」
「だ、だって! どうして、隆の家で、こんな……ベッドで」
 うつむいてモジモジとシーツを指で弄る。その後ろでピンと立った尾がゆらゆらと揺れていた。
「警察呼んじゃう」
 携帯を取り出したので、手刀でもって、撃ち落す。
「痛い! 酷い!」
「酷くない。そして、ポリスを呼ぶな。落ち着け。オレは何もしていない。色々自分の周りを確認してから、自分自身の寝言みたいな行動を認識してくれ。頼むから」
 いぶかしみつつも、布団の中で何かもぞもぞと確かめ、じっとこちらを睨む。さっきまで垂れていた耳は、オレの鼓動すらも捉えようというように、こちらを向いていた。オレと同じところにある人間の耳も含めて、四つの耳と、時折、ひくつくように動く鼻と、瞳孔の狭まった猫の目全てを駆使して、璃斗はオレを監視している。
 嘘などついていないわけだが、やけに緊張していた。そんな必要はないはずなんだが。
 じっと見詰める瞳孔が細くなる。耳の先がピクリと動いた。
「……うん。大丈夫だね。さすがわたしの幼馴染。いつだって、信用してるよ」
「どの口がそんなことを言うのか」
 言いつつ、唇に目をやるが、さっきそれが目の前に迫っていたことを思い出してしまい、目を逸らす。
「あれ? 実はやましいことが?」
 眉根を寄せ、細められた眼差しが突き刺さる。
「ないない」
 大きく溜息をつきつつ、気を取り直した。
「むしろ、聞きたいのはこっちだ。それで、お前、何してたんだよ」
「えっと……」
 首を傾げる璃斗の尾は動くのをやめ、ベッドの上を這っている。
「なんでだろ。何してたんだろ」
「いや、それがわからないから聞いてるんだ」
「そうなんだけど……。ほんとにわからないの」
 困った顔で言う。
 まあ、璃斗が部屋に来ること自体は別に珍しいことでもなんでもないし、そうでなければ、首根っこという弱点を知っているわけもない。
「わたし、どうしてここにいるの?」
「何言ってるんだ」
聞き返しつつも、本当に困惑した顔をしていることが、幼馴染のよしみゆえ、わかってしまう。
「うん……。わけわからないこと言ってると思うんだけど。でも、わたしもわけがわからなくて……。なんで、隆の部屋にいるのか。わたし、確かにさっきまで……」
「どこにいたんだ? オレは昼寝してたんで、お前がいつここに来たのかなんて、正確なところはわからないんだ」
 そして、起きたらマウントポジションを取られていた。
 璃斗はまだ迷いながら、指先を顎に添えて、何か考える。眉をひそめた表情にかげりが落ちた。
「ゴメン……。わたしもほんとにわからなくて……」
「わからないことなんて……」
 言いかけて、言葉を止めた。
 オレが戸惑っている以上に、璃斗は困り果てている。こんなことを冗談で言っても意味はない。それに、さっきまで……オレに圧しかかっていたあいつの様子はおかしかった。
「じゃあ……。実際、どこにいたんだ?」
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