ライトノベル作家、八薙玉造のblogです。
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八薙玉造
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ライトノベルをガリガリと書かせていただいている身の上です。
メールはtamazo☆carrot.ocn.ne.jpまで。(SPAM対策で@を☆に変更しています。@に直してお送りください)
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無論、『刑事』は『デカ』と読む。
ソフトバンクのGA文庫はまだ創刊直後なのに、やることがありえなくてかっこいいです。
二月新刊で『シャムロック~灼熱のメイドポリスですぅ~』を発売し、四月には『メイド刑事』!
かぶってる、かぶってる!(笑)
まあ、『シャムロック』は未読なのですが、『メイド刑事』は読了。
一言で言えば、メイド版『スケバン刑事』!(笑) いや、もうマジに。
作者である早見氏があとがきなどで語っているように、『スケバン刑事』の遺伝子を受け継いだ戦闘少女小説を意図して描いているものなのは間違いないです。
そんなわけで、あらすじ。
警視庁長官海堂俊の下にメイドとして使える若槻葵。
だが、ひとたび事件が起これば、海堂の指示の元、彼女は巨悪に立ち向かう。
誰が呼んだか『メイド刑事』!
おおむね、そんな感じ。
本編は短編の三話構成となっており、それぞれをドラマの一話一話のよう読むことができます。
第一話は初期設定篇ということで、実際、ドラマの第一話のような形で、多少スタートダッシュの遅さは感じるものの、普通に読めます。二話は新キャラである謎の流れメイドニキータ登場篇(笑)そして、一巻の締めくくりである、三話は葵の過去を絡め、締めとしては十分におもしろいお話に感じました。
読んで驚いたのは、メイドとしての葵が、ただメイド服を着ている刑事……ではなく、実にガチのよくできたメイドとして描かれていることです。
お話の基本構造がメイドとして悪人の家に潜入し、捜査するという形になっているので、メイドとしての技量が必要なのは当然なのですが、葵自身がメイドという仕事に関してプライドを持っているため、ただメイド服を着ているだけのメイド小説とは一線を隔した作りにはなっていると思います。お仕事に関しての描写も細かいですし。
それはそれとして、メイド刑事として悪の陰謀を暴いた後の戦闘シーンのツッコミ無用っぷりは、なかなかものすごいことになっていたりもします。
特殊合金製のクイックルワイパー!
これより冥土。
あれはメイドの一里塚!
誰もつっこまないのが凄い。ガーゴイル一巻の感想の時にも書いたのですが、放置ネタはなかなか突っ走っていて好感が持てます。
惜しむべきは、一話のスタートダッシュが遅いこと。冒頭直後に戦闘シーンはあるのですが、メイド刑事としての戦闘は一話のラストになり、それまではメイドとしての若槻葵が中心になるため、メイド刑事を見たくて読んでいた人間には、多少物足りない感じがしました。具体的には僕ですが。
また、二話はIT企業のオタク社長(語弊はありますが、一般的に想像される悪いオタク像を想像してもらえるとよいかと)が敵となるため、非常にわかりやすい形で悪いオタク描写が展開されるのですが、それが好ましく思えませんでした。
というか、『メイド刑事』最大の問題部分だと考えています。
「萌え」という言葉や、メイド喫茶などでメイドという職業が軽く扱われることに対する葵の嫌悪などは心情的には理解できるのですが、GA文庫の読者層であるいわゆるオタク文化を持つ人間がそれを読んだ上でどう感じるかということを早見氏は考えたのだろうかと、首を捻りました。
話が少しずれるのですが、最近は典型的な(実在するという意味ではない)オタク像(肥満。フィギアに話しかける。2ch語連発。風呂に入らない。服を着替えない)を簡単に使用してしまっている作品を多く見かけます。
これらはつまり、マジメなメガネ委員長や、学ラン着た番長のような典型的キャラクター像としてのオタクキャラとして使用されているということはわかるのですが、おおむね間違いなく蔑視の対象として、使用され、それがそういうものだと受け入れられている状況に問題を感じざるをえません。
僕がオタクだということが大きくて、「そんなオタク、むしろ稀にしかいねえよ!」と、自分や友人のことを含めて憤りを覚えるからなんですが。
とはいえ、プロの作り手であるはずの人が、(ついでに言えば、おそらくオタクという言葉の範疇にいるはずの人が)誤解を広げる形でこの題材を使用してしまうことには、やはり怒りを覚えざるをえません。
極論覚悟で、広義にとれば、『オタク』=『漫画読む人』と考えられてもおかしくないと思わないのだろうか……。まず、間違いなく作家自身もその範疇に入っているだろうに。
そもそも、『オタク』っていう曖昧な言葉自体が好きにはなれないんですが、まあそれはおいといて。
『メイド刑事』の二話は、そういう配慮に欠けたものを感じ、好きにはなれませんでした。ニキータは普通に「流しのメイド」とかぬかすとこ含めて好きですが(笑)
ただ、長々語りましたが、三話は非常におもしろく、三話に向けてと考えると前述の一話、二話も悪くありません。そもそも、連続ドラマ風ということを考えれば、話がいくらか積んでからおもしろくなるのは当然ですしね!(笑)
また、葵のメイド描写とメイドとしての考えなどは、実に正統派のメイド(と、僕が言っていいものかわかりませんが)として描写されているので、正統派のメイド好きさんにこそ、お勧めできる内容かもしれません。メイド服、全然、色気ないですしね!
ところで、イラストがはいむらきよたか氏なんですが、かっこいいせりおねさん、禁書目録が読みたいです。(名指し)ほーら、メイド刑事だよー。
ソフトバンクのGA文庫はまだ創刊直後なのに、やることがありえなくてかっこいいです。
二月新刊で『シャムロック~灼熱のメイドポリスですぅ~』を発売し、四月には『メイド刑事』!
かぶってる、かぶってる!(笑)
まあ、『シャムロック』は未読なのですが、『メイド刑事』は読了。
一言で言えば、メイド版『スケバン刑事』!(笑) いや、もうマジに。
作者である早見氏があとがきなどで語っているように、『スケバン刑事』の遺伝子を受け継いだ戦闘少女小説を意図して描いているものなのは間違いないです。
そんなわけで、あらすじ。
警視庁長官海堂俊の下にメイドとして使える若槻葵。
だが、ひとたび事件が起これば、海堂の指示の元、彼女は巨悪に立ち向かう。
誰が呼んだか『メイド刑事』!
おおむね、そんな感じ。
本編は短編の三話構成となっており、それぞれをドラマの一話一話のよう読むことができます。
第一話は初期設定篇ということで、実際、ドラマの第一話のような形で、多少スタートダッシュの遅さは感じるものの、普通に読めます。二話は新キャラである謎の流れメイドニキータ登場篇(笑)そして、一巻の締めくくりである、三話は葵の過去を絡め、締めとしては十分におもしろいお話に感じました。
読んで驚いたのは、メイドとしての葵が、ただメイド服を着ている刑事……ではなく、実にガチのよくできたメイドとして描かれていることです。
お話の基本構造がメイドとして悪人の家に潜入し、捜査するという形になっているので、メイドとしての技量が必要なのは当然なのですが、葵自身がメイドという仕事に関してプライドを持っているため、ただメイド服を着ているだけのメイド小説とは一線を隔した作りにはなっていると思います。お仕事に関しての描写も細かいですし。
それはそれとして、メイド刑事として悪の陰謀を暴いた後の戦闘シーンのツッコミ無用っぷりは、なかなかものすごいことになっていたりもします。
特殊合金製のクイックルワイパー!
これより冥土。
あれはメイドの一里塚!
誰もつっこまないのが凄い。ガーゴイル一巻の感想の時にも書いたのですが、放置ネタはなかなか突っ走っていて好感が持てます。
惜しむべきは、一話のスタートダッシュが遅いこと。冒頭直後に戦闘シーンはあるのですが、メイド刑事としての戦闘は一話のラストになり、それまではメイドとしての若槻葵が中心になるため、メイド刑事を見たくて読んでいた人間には、多少物足りない感じがしました。具体的には僕ですが。
また、二話はIT企業のオタク社長(語弊はありますが、一般的に想像される悪いオタク像を想像してもらえるとよいかと)が敵となるため、非常にわかりやすい形で悪いオタク描写が展開されるのですが、それが好ましく思えませんでした。
というか、『メイド刑事』最大の問題部分だと考えています。
「萌え」という言葉や、メイド喫茶などでメイドという職業が軽く扱われることに対する葵の嫌悪などは心情的には理解できるのですが、GA文庫の読者層であるいわゆるオタク文化を持つ人間がそれを読んだ上でどう感じるかということを早見氏は考えたのだろうかと、首を捻りました。
話が少しずれるのですが、最近は典型的な(実在するという意味ではない)オタク像(肥満。フィギアに話しかける。2ch語連発。風呂に入らない。服を着替えない)を簡単に使用してしまっている作品を多く見かけます。
これらはつまり、マジメなメガネ委員長や、学ラン着た番長のような典型的キャラクター像としてのオタクキャラとして使用されているということはわかるのですが、おおむね間違いなく蔑視の対象として、使用され、それがそういうものだと受け入れられている状況に問題を感じざるをえません。
僕がオタクだということが大きくて、「そんなオタク、むしろ稀にしかいねえよ!」と、自分や友人のことを含めて憤りを覚えるからなんですが。
とはいえ、プロの作り手であるはずの人が、(ついでに言えば、おそらくオタクという言葉の範疇にいるはずの人が)誤解を広げる形でこの題材を使用してしまうことには、やはり怒りを覚えざるをえません。
極論覚悟で、広義にとれば、『オタク』=『漫画読む人』と考えられてもおかしくないと思わないのだろうか……。まず、間違いなく作家自身もその範疇に入っているだろうに。
そもそも、『オタク』っていう曖昧な言葉自体が好きにはなれないんですが、まあそれはおいといて。
『メイド刑事』の二話は、そういう配慮に欠けたものを感じ、好きにはなれませんでした。ニキータは普通に「流しのメイド」とかぬかすとこ含めて好きですが(笑)
ただ、長々語りましたが、三話は非常におもしろく、三話に向けてと考えると前述の一話、二話も悪くありません。そもそも、連続ドラマ風ということを考えれば、話がいくらか積んでからおもしろくなるのは当然ですしね!(笑)
また、葵のメイド描写とメイドとしての考えなどは、実に正統派のメイド(と、僕が言っていいものかわかりませんが)として描写されているので、正統派のメイド好きさんにこそ、お勧めできる内容かもしれません。メイド服、全然、色気ないですしね!
ところで、イラストがはいむらきよたか氏なんですが、かっこいいせりおねさん、禁書目録が読みたいです。(名指し)ほーら、メイド刑事だよー。
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