忍者ブログ
ライトノベル作家、八薙玉造のblogです。 ここでは、主に商業活動、同人活動の宣伝を行っております。
twitter
プロフィール
HN:
八薙玉造
性別:
男性
自己紹介:
 ライトノベルをガリガリと書かせていただいている身の上です。

メールはtamazo☆carrot.ocn.ne.jpまで。(SPAM対策で@を☆に変更しています。@に直してお送りください) 
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ブログ内検索
最新TB
カウンター
忍者アナライズ
[410] [409] [408] [407] [406] [405] [404] [403] [402] [401] [400]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

sledge_poster.jpg










告知遅くなりましたが、コミケ84参加します!

8月11日(日) 東プ-38a『玉造屋バキューン』

新刊は『両手に花でスレッジハンマー』
表紙のとおり、ハーレムものです。やったね!

お暇と体力の余裕がありましたら、ぜひぜひお立ち寄りくださいませ。


また、今回も、日本量産党の方で小説を書かせていただきました。

8月12日(月) 東タ-26b『日本量産党』

こちらでは、『辻堂さんの純愛ロード』と『ニンジャスレイヤー』を悪魔合体した
二次創作『ツジドー=サンのヤンキースレイヤー シラス・イン・クロスロード・トゥ・ネオショーナン』を書かせていただきました。
ネオショーナンを舞台にサツバツ! ヤンキーが爆発四散!

どちらか片方、ご存知なら楽しんでいただけ……る? お話になったので、こちらもよろしくお願いします。


ということで、以下、うちの新刊『両手に花でスレッジハンマー』の冒頭部分抜粋、予告編になります。
興味のある方はご覧くださいませ。

■あらすじ
サトルはある日突然、腐れ縁の巫女、カナタと、ゴスロリを着た幼なじみ、トナリに迫られる。
そう言えば、二人の様子はおかしかったかもしれない……と、のんきに回想に浸るサトル。
だが、二人の要求はあらぬ方向へ! そして、予想外の事態に発展する!
という、女の子二人に迫られるハーレムコメディ!

拍手



■予告編
「カナタだ。サトルが選ぶのは」
 銀色の髪を揺らし、巫女装束を着た少女、カナタはサトルの腕を取った。 
 いつもはどこかぼんやりとした印象を受ける瞳は、確かに熱を帯び、潤んでいる。
 赤い目がサトルを上目使いに見上げていた。
 白衣をまとう彼女の腕が、サトルの二の腕に絡みつく。
 小柄な彼女がやると、それはまるでサトルにぶら下がるかのようにも見えた。
 密着したその胸がサトルの腕に押しつけられる。
 巫女装束の布地の下、サトルは確かに彼女のぬくもりを感じる。
 背は低く、身体つきも控え目なカナタだが、柔らかな膨らみが、サトルの二の腕に確かに触れていた。
「カ、カナタ。待て。これは……」
「何言ってんだ、てめえ! ふざけんな! サトルはアタシを選ぶんだよ。そう……大人の女性を。このトナリをな!」
 サトルは逆の腕もつかまれていた。
 そちらにはもう一人の少女、黒いドレスを着た少女、トナリがいる。
 ミディアムショートの髪は、艶のある黒色だ。それを、黒いヘッドドレスで飾っている。
 トナリはカナタとは違い、背が高い。
 男子高校生としては平均的な身長のサトルと、身長がほとんど変わらない。
 そんな身体を、彼女はドレスで包んでいた。
 ヘッドドレスと同じく、花の意匠や、フリルとリボンで彩られながらも、そのドレスは黒と、わずかな白の色彩のみで構成されている。
 ふわりと広がったスカートから、白のニーソックスに包まれた引き締まった脚と、編み上げブーツが覗く。
 いわゆるゴシックロリータの装いだが、退廃的な雰囲気よりも、むしろ、かわいらしさを重視したような衣装だった。
 トナリはその服を着たまま、サトルの腕をつかんでいた。
 サトルはカナタのものとは違い、もっと弾力のある感触を覚える。
 厚いドレスの生地越しであるにもかかわらず、トナリの胸は露骨なほどその大きさを自己主張していた。
 その膨らみはカナタの比ではない。
 サトルの腕に押しつけられることで、その胸は形を変える。
「いや……! いや、ちょっと、ちょっと待てよ!! お前ら、待てよ!」
 巫女装束を着たカナタ、黒いドレスを着たトナリ。
 二人に両腕を取られ、その上、奪い合うように左右に引っ張られながら、サトルは頬を赤くしつつも、困惑のあまり眉間にしわを寄せる。
 どうして、こんなことになっているんだ!?
 そう思いつつも、サトルの中には、いずれこうなるだろうと考えていた彼もいた。
 これは突然のことではない。
 予兆はあったのだ。
「去れ! トナリ!」「どけよ、カナタ!!」

   ◆ ◆ ◆

「去れ! トナリ!」「どけよ、カナタ!!」
 枕元でドシドシと音がした。
 サトルはゆっくりと目を覚ます。
 ぼんやりとしていた意識が、足音と声のせいで徐々に覚醒していく。
 サトルの目に最初に飛び込んできたのは、頭の上で揺れる濃紺のスカートだった。
 仰向けに寝そべっている彼の上で、見慣れた制服のスカートがひらひらと踊る。
 窓から入り込む光の中、サトルはトナリとカナタを見た。
 畳の上に敷いた布団で寝ているサトルは、制服姿の彼女たちを至極ローアングルから眺めることになる。
 紺色の靴下をはいた足が、すぐそばを通り過ぎ、スカートの内側にチラリと、白いものが見えた。
 部屋の中には自分のものとは明らかに違う、女の子特有の華やかな香りがする。
 その香りに鼻孔をくすぐられ、サトルは一気に目を覚ました。
 すっと深く息を吸い込み、彼女たちの匂いを嗅ぎ、ひとまず気持ちを落ち着ける。
「……朝から何やってるんだ」
 身を起こして、欠伸混じりに尋ねるサトルの前で、二人が動きを止めた。
「然り。サトルを起こしに来た。そしたら、邪魔がいた」
 真顔で告げたのは、カナタだった。
 彼女の長い銀色の髪は少し乱れ、その息も上がっていた。
 サトルと同じ高校のブレザーは、小さな身体には少し大きく、中学生が着せられているような、そんな印象を受ける。
 薄い表情のまま、カナタは目の前の少女を見上げ、一生懸命背伸びして、その胸倉をつかんでいた。
「邪魔とはよく言いやがったな。クソ小童! かわいがっちまうぞ!」
 もう一人の少女、トナリがカナタを見下ろし、睨みつけて言う。
 肩のあたりで切ったミディアムショートの黒髪と、細く吊り上った形よい眉、切れ長の瞳が印象的な少女だ。
 トナリの身長は、カナタよりも明らかに高い。
 開いたブレザーの前から覗くブラウスの胸元は綺麗に盛り上がり、スカートからは白くしなやかな脚がスラリと伸びる。
 その姿は、カナタと同じ制服を着ているようには見えず、制服を着こなすモデルのようだった。
胸倉をつかんでいるはずのカナタは、傍から見れば、そんなトナリにぶら下がっているように見える。
 カナタの赤い瞳と、トナリの黒い瞳が睨み合い、火花を散らす。
「背伸びして、かわいいぜ。カナタ。ナデナデしてやる」
「小癪。デカブツ」
「デカ……ッ!? う、うっせえ! 乙女にそんなこと言うな! 子供料金で電車乗れる奴!! 得しやがって!」
 トナリがギリギリと歯噛みする。
「ほらー! 離れやがれ!!」
 そのまま彼女が左右に身体を振れば、胸倉をつかんだままのカナタがブラブラと横に揺れる。
「ジャレてるようにしか見えないぞ」
 言いつつ、サトルは二人を横目に起き上がると、まずは布団を畳んだ。
「左様。トナリはカナタにジャレているわけだ」
「言うにことかいて! どう見ても、親戚にプロレスごっこしてもらってる、姪っ子だろうが! お前は!」
「それで、どうして、こんなことになってるんだよ」
 サトルが、部屋を見回せば、積んでいた雑誌が崩れ、目覚まし時計が吹っ飛び、明らかに争った跡が残っていた。
「さもありなん」
「さもありなんじゃなくて、なんでだ?」
 カナタが目を逸らし、トナリは腕を組んで口笛を吹く。
 だが、サトルが半目でじっと見ていたので、二人は渋々口を開く。
「然り。カナタが起こしに来たら、痴女がいた」
「誰が痴女だ!? 誰がビッチでアバズレだ!?」
「ビッチでアバズレのクソアマが寝ているサトルに顔面を限界まで近づけていた」
「ア、アタシは……! ち、違う!? アタシはただ、起こそうとしていただけだ!? するわけねえだろ!? 年下にするわけねえだろ!? そんな卑猥なことするわけねえだろ!?」
 顔を赤くしたトナリが明らかに挙動不審に陥る。
「朝からそんなに盛ってねえよ! 夜じゃないんだから、盛ってねえ! もう性犯罪だろ!」
 夜ならどうなんだ……と、思いつつも、サトルは口には出さなかった。
 ただ、トナリを正視することができず、少しだけ目を逸らす。
 サトルの頬は熱い。
「ゆえに、淫乱な痴女を殺そうとキックした」
「ドロップキックをな! あんな大味な攻撃が通用すると思ってるのか? そのまま足をひっつかんでジャイアントスイングってわけだぜ!」
「だから、棚の上のプラモが転げ落ちてるのか……」
「左様。カナタの銀髪が薙ぎ払った」
「俺のターンヒゲガンダム、薙ぎ払わないで欲しかった」
 棚から転げ落ちたものの、プラモは一応無事だった。自慢のオヒゲも折れていない。
「まあ、ともかく。今日も起こしに来てくれてありがとう。最近、どうにも起きられなくて」
「アタシたちが来るからって、ちょっと甘えてるんじゃないか? まあ、年下に頼られるの。アタシは嫌いじゃないけどな」
「言い飽きたけど、オレたち、同じ学年だからな。オレ、留年もしてないし」
「然り。トナリ。貴様はその程度だ。ほんの数カ月の差で自分が偉大だと思い込んでいるだけだ」
「うるせえな。同じ学年でも、アタシとカナタじゃ、身長差がどれだけあると思ってる」
「さもありなん。トナリはゴツいな」
「ゴツいって、ゴリラか!? ゴリラ扱いか!? 乙女だろうが!」
「おい、優し強い霊長類をディスるのはたいがいにして、部屋を出てくれ」
「なんで!? ゴリラ、ディスられて怒ったなら謝る!」
「確かにゴリラには謝罪すべきだけど、違う。遅刻しないうちに着替えたいんだけど」
 言いつつ、サトルはパジャマに手をかけた。
「うぁぁぁぁぁぁっ!! いきなり、ぬ、脱ぐなぁぁぁぁっ!!」
 その刹那、顔面を真っ赤にしたトナリは開いた窓から飛び出した。
「二階だぞ!? ここ!?」
 サトルとカナタが慌てて窓に駆け寄れば、眼下には庭で無様に倒れたトナリがいた。
 脚が変な方向に曲がっている。下着もちょっと見えていた。
 このあと、カナタは一カ月ほど松葉杖生活を強いられた。

 しかし、それは半年前のできごとだ。
 最近、サトルの朝の生活は明らかに変化していた。
「おはようございまーす」
 眠い目を擦りながら、サトルは隣の家に上がり込む。
 そこはトナリの実家だ。
 顔馴染みにもほどがあるおばさんと、出勤前のおじさんにペコリと頭を下げると、サトルはトナリの部屋のドアをノックする。
 返事がないことを確認して、部屋に入れば、ベッドではトナリが寝息を立てていた。
「朝だぞ。トナリ」
 言いつつ、カーテンと窓を開け、朝の光と風を取り込んでも、彼女はまだ目覚めない。
 なんとなく幸せそうに顔を緩めて眠りこけるトナリの口元から、よだれが一筋垂れた。
「起きろよー」
 もう一度言ってみたが、起きない。
 サトルは時計を見て、まだ時間に余裕があることを確かめると、おもむろに、トナリのベッドのすぐ脇でシャドーボクシングを始めた。
 適当にステップを踏みつつ、シュシュッと拳を繰り出す。
「シュッシュッシュッ! ジャブジャブ! おおっと、ここでデンプシー! そして、アッパーカットだー! ボクシングのことはよく知らない」
 そうしているうちに、トナリが身をよじり始めた。
「うぅん……最初に三十年パンチを打っておけば……」
 しばらくしてトナリが目を開ける。
 ぼんやりとした顔で天井を見上げ、次にサトルを見たあと、彼女は慌てて身を起こすと枕元のティッシュを取って、涎を拭った。
 サトルはシャドーをやめたが、トナリはそのままベッドの上に座り込んで動かない。
 うつむいたまま、ティッシュを握りしめる。
「……こ、弘法にも、筆の誤りがあるわけじゃねえか。だから、乙女にも、涎はあるんだよ。なあ、あるんだよ。乙女にだって、そういうの、あるんだよ!!」
「ああ、うん」
「猿だって、木から落ちるし、カッパは川を流れるだろ!! アイドルだって、トイレに駆け込むんだよ!!」
「わかった。わかったから」
「……お願いだ。忘れてくれ」
 サトルはとりあえず頷いた。
 だけど、多分、忘れられないと思った。
「起こしてくれてありがとうな。着替えるから、外で待っててくれよ」
 そう言われて、サトルはトナリの家を出ると、そこに立つ。
 しばらく待てば、階段を慌てて駆け下りる音が聞こえてきた。
「ま、待たせたな」
 制服に着替えたトナリが玄関から出てくる。
 彼女の頬はまだ少し赤く、いつも自信ありげに吊り上った眉が下がっていた。
「まだ照れてる? よだれで」
「照れてねえよ!? 記憶にもねえよ!! アタシはニワトリみたいな存在だよ! とにかく、行くぜ。アタシについてきな」
「起こしたの、オレだけどな」
 サトルとトナリは学校へ向かって歩き出す。
「それにしても、最近は起きられないのか? そういうの、オレの芸風だったはずなんだけど。自力で起きないといけないとなると、けっこう辛いんだよな」
「甘えるな!!」
「……ゴメンなさい。甘えてた」
「あぁ、いや」
 トナリはバツが悪そうに、頭を掻く。
「最近は、アタシの方が、寝つきが悪くてな。おかげで、どうにも朝、起きられねえんだよ」
 サトルはトナリの顔を覗き込んだ。
 目尻にはかすかにクマができている。
目は充血しているし、顔色もあまりよくないように感じた。
「悩み事? もし、そうなら、相談に乗るよ」
「悩みってわけじゃ……」
 トナリは首を横に振った。
「いや、そうかもな」
 彼女は吐息する。
「なら、話してみろよ。話せば、少しは楽になるんじゃないか?」
 トナリは何か言おうとして、黙り、曖昧な笑みを浮かべた。
「ありがとうな。でも……今はまだ……。いずれ、その時は頼むぜ。いついかなる時だって、頼りになるアタシだけど、そんなアタシにも、頼りたくなる瞬間はあるんだ」
「そんなに頼りになった覚えとかないんだけどな」
「なんだと、てめえ!」
 トナリが叫んだのと同時に、曲がり角から何かが飛び出してきた。
 銀色の影がそのままの勢いでサトルへ突っ込む。
「がぼっ!?」
 サトルは悶絶して崩れ落ちた。
 彼の脇腹に突き入れられたのは、下方向からの斜め上方に突き刺さる見事な肘打ちだった。
「何を……何するんだ、マジで」
 ガクガクと震えながら見上げれば、そこには制服姿の銀髪の少女、カナタが立っていた。
 鋭い肘の一撃を叩き込んだ彼女は一仕事終えたかのような顔で息を吐く。
「これは異なことを」
「異なことじゃないと思う。オレはすごく正しいと思う」
 脇腹を押さえて悶えるサトルを、カナタは一瞥した上で目を逸らす。
「ははん。どうした、小さい子。アタシに対する嫉妬か?」
「笑止」
 カナタは肩をすくめた。
「だが、カナタはそこのゴリナリよりも、寝起きが悪い」
「待てこら。誰だ、その新生物」
「失敬。ゴリラトナリよりも、寝起きが悪い」
「ちびっこ! ちびっこ、てめえ! 造語で喋ってるんじゃねえ! ちびっこ塚にお供えすんぞ!! 大福お供えすんぞ!」
「されば、サトルは寝起きが悪いカナタを、先に起こしに来るのが筋だろ」
「マイペースに話を続けてるなよ! アタシだって、背が高いの、ちょっと気にしてるんだ! もっと、例えがあるだろ! 例えが! ゴリラ呼ばわりとか、わりと精神的にクるんだよ!」
「でも、オレ、先にカナタに電話しておいただろ」
「モーニングコール的なことしてたのかよ! あと、相変わらず、アタシのことは無視したままかよ! ゴリラ賠償しろよ!」
「然り。電話はもらった。だが、カナタは不満」
「モーニングコールもらっておいて、何が不満なんだよ! てめえの背が異常に伸びること、お寺で祈ってくるぞ! あと、サトル! なんで、そんなことするんだ! 甘やかすなよ!」
「ここで、オレに飛び火するのか!? 甘やかしてるって言うなら、オレ、トナリのことも甘やかしてないか? 直接、起こしに行ってるわけだし」
「知るか! とにかく、アタシだけ起こせよ!」
「これは異なことを。カナタだけにしろ」
「……いや、起こすなら両方起こすって。……まあ、ともかく、二人とも調子悪いなら相談に乗るから、遠慮なく言ってくれよ」
 サトルは頬を掻く。
「オレにできるのって、そのぐらいだからさ」
「この状況からの気遣いかよ!?」「よもや、そのような!?」

 起こされる側から、起こす側へ。
 サトルの環境が変わったのはそれだけではなかった。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
忍者ブログ [PR]