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ライトノベル作家、八薙玉造のblogです。 ここでは、主に商業活動、同人活動の宣伝を行っております。
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 ライトノベルをガリガリと書かせていただいている身の上です。

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萌えキャラ疑惑ざわめくナイスGUYとりさんにやけに勧められて購読。

リアル陰陽師の家系である主人公―馬神太一郎。あることで、クラスメイトたちに陰陽師であることがばれてしまったことから、彼は強気でストロングな弓道娘胡桃沢唯に、陰陽道の指南をすることになる。

と、あらすじを書いてしまえば、なるほど、あるある! なタイプの陰陽師を扱ったラノベのように見えるわけですが、そんなことはなかったりします。
~陰陽道馬神流初伝~とある通り、実はガチの陰陽道指南本です。いや、マジに。

ストーリーはあらすじのとおりの導入後、胡桃沢嬢と共に太一郎の自宅へ移り、そこで延々、本気でラスト直前まで陰陽道のレクチャーです。やはり、マジで。
タイトルに偽りなしという言葉がやけに胸に染みます。

そんなわけで、タイトルのとおり、式神などは架空のものだと言い切り、実在した陰陽道の思想や、実際の運用法など、それらを太一郎と胡桃沢嬢のやり取りで勉強していく小説です。いや、小説なのか?(笑) ともかく、学習漫画などを想像してもらうとわかりやすいかと。

実際、綿密な調査と知識に裏打ちされた内容は、一読ではとても理解できない程に難解で(僕の脳がゆるいって―話もありますが)僕の場合、これはメモを取りながら、何度も読み返しながら進んでようやく少し理解できるぐらいなんじゃないかと思いました。
勉強する気で読まなければ、太一郎の語りは理解できないです。というか、普通に読み進んでいたので、途中で諦めました(笑)
とまあ、本気のレクチャー小説なので、本物の陰陽道というものに興味のある方は、一読の価値があるでしょう。

ただ、好みの問題ではあるのですが、主人公―太一郎がたびたび口にする「勘違いしてる人が多いけど」という言葉。つまりは、陰陽師という職業や、陰陽道というものに対する漫画的なイメージなどを、彼はそう現し、嫌悪し、否定するわけですが、その言葉の裏に作家さんのやや高慢とも言える態度が見えるようで、そこが気になりました。(太一郎の言葉は陰陽道にのみ向けられるわけではないのですが)

フィクションの陰陽道は実際、「魔法」を言い換えたものに近く、その原理部分を例えば「マナ」ではなく、「五行」や「陰陽」、「召喚魔法」―「式神」と、ただただエンターテイメントの道具として使われているもので、それらを「陰陽道を題材にしているくせに「易経」を読んでいる作家なんていやしない」と、立腹するのはどうにも筋違いに感じます。まあ、「易経」など、陰陽道のことを調べ尽くした上で、それらを自分の中で作り直して新しい陰陽道を作り出せば、それは素晴らしいものになるのではないかという考えもあるわけですが。
ある程度、それを成功させた上で薀蓄をうまく使ってるのは京極夏彦なのかなー。

ただ、運用するだけなら、うしとらで秋葉流がとらの雷撃を「金克木!」と受け流した、はったりの効いた絵面など、あれで十分かっこよく見えるのですが。

まあ、話がずれましたが、ごくごく個人的な感想としては、それらを否定し、延々皮肉を言い続ける主人公の姿勢に好感が持てなかったです。実際のところ、何度かぶん投げようとしちゃったよ(笑)
もし、作者さんが、自分を投影せずに主人公は陰陽道の家系に生まれたので、そういう性格に設定されているのだと計算ずくで書いているなら、してやられているわけなんですが。

さておいて、ヒロイン胡桃沢嬢はかわいいです。
ピンナップでは袴姿も見れるしな! でも、これ、ラノベじゃないと言い切れる(笑)発売は集英社のスーパーダッシュ文庫なんだけどなー。

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